4〜9月期2大アニメ総括

マクロスフロンティア


最終回は実に熱い展開で不覚にもドキドキした。
しかしそこに至るまでの過程がちょっと問題ありすぎて最終的な評価は佳作止まりだと思う。


今回のマクロスはまず歌ありきというコンセプトがあるんだろうと思う。
だからこそのシェリルとランカの配役であり
ライブシーンの気合の入りっぷりや歌の良さは他のマクロスより一歩抜けている感がある。
実際歌に関しては今世に出回っている関連曲は全部iPodに入れてるし。




だがシェリル・ランカ・アルトの3人が絡むようになってからのグダグダな展開は頂けない。
最終的なオチとしてハーレムエンド(誤解がある呼称だが他に良い表現が浮かばない)なのは良しとしよう。
しかしシェリルのあの変わりっぷりを見せるのに使われるエピソードが貧弱すぎる。
あれではただの電波女とか感情の浮き沈みが激しすぎるお嬢房と思われても仕方ない。
しっかりと裏打ちされた物が無い限り登場シーンから終盤にかけての
シェリルの言動や行動は本来の意味を持つことが出来なくて中途半端になる。
ちなみに私的にはネガティブモードもポジティブモードも悪くは無いと思う。


ランカに関してもそう。
基本的にはこのアニメにおいて他のキャラクターに寄りかかってる感があるランカ。
アルトやシェリルがいるからこそランカの魅力が引き立つサブキャラクターっぽい立ち位置かなと。
それも手伝ってシェリドロップアウトの時にランカにスポットが当たったときが酷い。
そこまでのエピソードでランカの成長を描ききれていれば問題無かったはずなのに。
突き詰め切れていないためにランカ主導の回は散漫すぎて話が全く面白くない。
しかもシェリルなんか目じゃないくらいネガティブモードがうざったい。



作画が中盤からちょっと安定しなさすぎとか
CG班が息切れし始めてるのが丸分かりだったりとか
そういうのを抜きにしたとしても面白くなりそうなアニメではあったと思う。勿体無い。




コードギアス 反逆のルルーシュ


こちらもまたオチは全く問題無いと思う。
黒の騎士団を立ち上げた時からルルーシュは最終的にこの世界からいなくなるしかなかった。
なんだかんだ言っても最終回は1話から見てた身としてはくるものがあった。
でもやはりそこに至るまでの過程があまりにも未消化。
その最大の問題としてはキャラクターが多すぎることに尽きるのではと。


最終話が差し迫ってきた時のキャラ毎のエピソードが適当すぎて酷い。
別に誰が妊娠しようがオレンジ育てようが学生に戻ろうがオチは何でも良いんだけど。
そこにどうしてどうやって落ち着いたかをしっかり見せてもらわないと全く感慨が沸かない。


死なないキャラが多すぎるのも問題。
オレンジ君なんかは2期で不動の地位を確立したからまだ置いといたとしても。
結局ブリタニア側で死んだのってクロヴィス・ユーフェミア・マリアンヌ・皇帝なんだよね。
クロヴィスは物語の導入の為の死だしマリアンヌと皇帝は死なないと始まらないんだけど。
ユーフェミアにあれだけの散らせ方をさせておいてシュナイゼルとコーネリアが死なないのは何故?
スザクを動かす為だけの死だとしたらスザクはどうあってもルル側に付いちゃまずいでしょう。
それがルルが死ぬ為だとしてもそんな倒錯めいた話はいらないから。


結局黒の騎士団側なんて全員生還しちゃってるし緑川やジノすら生き残っている。
そのくせ物語中もエピローグでも相当のキャラがほったらかし。
魅力が無いサブキャラではないのにそれを動かしきれずに終わってしまった。
酢飯やマオ、ロロ、ディートハルト、VVの扱いから考えると生き残ったキャラのなんと無駄なことか。


別にとにかくバサバサ殺せと言うんじゃなくて
物語を構築する過程で必然的に退場せざるを得ないキャラは必ず出てくる。
それを人気のためかお偉いさんの指示なのかどうかはわからないが捻じ曲げたら話がダメになる。


展開として熱いところはいっぱいあるしキャラに魅力もある。
メインキャラの立ち位置は凄く良くて絡みも別に好みの問題はあるだろうけど良かったと思うのに。
完全に構成の敗北。やっぱり変則4クールの難しさもあるし途中で決まったせいもあるのかな。
もう少しゆっくりとした進み方でしっかり1年やってくれれば名作になっただろうに。