美とはなんぞや

つーわけでハウルの動く城見てきた。


私的に感じたのは根底のテーマが「美しいものとは何なのか?」なのかなと。
ハウルが「美しくなかったら生きててもしょうがない」の台詞で気づいた。
だから「美しいもの」と「美しくないもの」の対比がかなり随所に見られた。
少女のソフィーと老婆のソフィー。ソフィーと妹&母。ハウル荒地の魔女
城に住む平和で幸せな家族とそれを奪っていく戦争。自然と飛空戦艦等など。
そういうテーマなんだなぁと思ったら急に面白く見れた。かなり凄い作品だなと。


キャラクターは相変わらず作りこまれてて皆良い。個人的にはカルちゃんお気に。
声も我修院さんで良い声してるしキャラともバッチリ合っていてすっごく良い。
木村拓哉も別に全然悪くなかった。地も出てる所があったけど全然許容範囲内。
今回キャストで痛いのは倍賞さん。申し訳ないが少女ソフィーに全く合ってない。
老婆の声と変わってねーじゃん。妹と母はあんなに甲高い声だってーのにさ。
非常に勿体無い感じ。あー美輪さんはさすがとしか言えなかった。最強。


アニメーションのレベルはもう言う事無し。あれは映画館で見なきゃダメだわ。
導入部の霧の中から城が出てくる所なんてラピュタが本当にあった級の感動。
引越しのシーンとか終盤の崩壊シーン、そしてもう一度動き出す所。超GJ。
あと城の出入り口が切り替わる所で光の具合や背景がきちっと変わって細かい。
老婆ソフィーが少女ソフィーに変わったりすぐ戻ったりする演出も効いてたね。
あの演出は実際見てほしいね。ああいう演出が効果的に使えるのは凄い事だ。
あと無機物も相変わらず細かい。軍艦や飛空戦艦。勿論城もなんだけどね。


しかしラストだけは俺は許さんよ。何だあのラストは。全部丸投げじゃないか。
これじゃあ戦争を美の対比として持ち出した意味が全く無くなってるじゃん。
もし戦争を持ち出すならもっとしっかりと答えを出さなきゃ。もしくは使うな。
家族みんなが戻って良かったっていうのは良いんだが対の戦争がこれじゃあね。
もの凄い軽い話になっちゃうよ。サックリ「戦争やめましょ」って言われても。
そんな軽く扱って良いものじゃない。戦争の重さと扱いが釣り合ってなさすぎ。
カブちゃんも戻る必要があったのか?こいつも戦争やめさす事になってるし。
そもそもこの子は「魔力が勝手に宿ったアイテム」みたいな扱いで充分かと。
カカシとしてのキャラクターがあまりにしっかりしていただけに正体がしょぼい。
途中まで楽しく見てただけにラストはもうエンディング中呆然とするぐらいダメ。
全くまとまってないし終わってない。悲しくなるよこれは。ほんっとに勿体無い。


そんなこんなで65点。ラストさえ良ければ95点クラスだったというのに。
まぁつまりラストにだけ目を瞑れば超力作でジブリの中で4位ぐらいに入る。
魔女宅>豚=ラピュタ>トトロ=ハウル耳すまナウシカもののけ
こんな感じかな。ラストを考慮に入れるとナウシカの下に来るんだけどな。
一応オススメということで。映画館で見るべき映画だとは言えます。